●HOME > 成功するしくみ > 第13回 不況でも売る!
『カジュアル衣料のユニクロを展開するファーストリテイリングは9日、
平成21年8月期の連結業績予想について、売上高を期初見通しより
70億円多い6270億円に上方修正すると発表した。』
(2009/1/9 産経ニュース)
ユニクロが良い見本となり、【低価格】は売れる商品の定番です。
しかも、最近はただ、低価格ではなくて、ユニクロやコンビニ、
スーパーのPB(プライベートブランド)商品に代表されるような
【低価格・高品質】を消費者は求めています。
売り手側には厳しいですが、これが現実です。
「この機能は本当に必要か?」「このサービスは本当に必要か?」
現在の商品を見直せば、意外と必要のない機能やサービスを減らすことで
低価格を実現できるかもしれません。
また、減らした別の機能やサービスを加えて、
新たな商品を生み出すことができるかもしれません。
この不況を乗り切るには、
思い切った機能・サービスの見直しで自社が得意とし、
本当にお客さんが必要としているものだけで勝負するべきでしょう。
それをマクドナルドが世に知らしめたのは、
210円のハンバーガーを100円に値下げした1994年。
この思い切った値下げにより、販売数が一挙に20倍も増えたそうです。
94年当時、210円で売られていた時から、
現在への移り変わり、ハンバーガーのコスト・利益の内訳です。
この仕組みこそ、
売れば売るほど1個当たり固定費(固定費÷販売数量)が少なくなり、
利益が上がるマクドナルドの薄利多売ビジネスの正体です。
1個当たりの販売価格がたとえ下がったとしても、
大量に売れればその分、利益が大幅に拡大することになります。
だから、徹底的に客数の増大にこだわります。
客数が増えれば「100円マック」に加えて、
ほかの商品を一緒に買ってくれる機会増につながります。
「10人から10円ずつもらうのではなく、100人から1円ずつもらうのが、
うちのビジネスのあり方。
年間、延べ14億人のお客様がマクドナルドに来店するが、
1人から1円ずつ利益が増えれば、年間14億円の増益になる。
1円の差がビジネスを大きく左右する、
それが薄利多売の強みでもあり怖さです。1円の価値と14億円のスケール感を、
同じように実感することができて、はじめて経営しているといえるのです」
CEOの原田泳幸氏が語っておられます。
【高品質】という面については、次の企業がヒントになります。
『関西地区を地盤に中華料理店「餃子の王将」を展開する
王将フードサービスは11日、平成21年3月期の業績予想を上方修正
すると発表した。景気悪化で消費者の節約志向や内食志向が高まり、
苦戦する外食企業が少なくないなか、同社は19年8月から今年2月まで
19カ月連続で既存店売上高が前年同月を上回っており、
好調を印象づけた格好だ。』
(2009/3/11 産経ニュース)
確かに餃子の王将はお手ごろ価格でボリューム感のある食事ができますが、
そういった飲食店は他にもあります。
なぜ他の外食チェーンが苦戦する中、餃子の王将は業績を上げ続けている
のでしょうか?
それは、
餃子の王将では地域や店舗ごとにセットメニューが違っていたり、
店舗独自のキャンペーンを行っているのです。
例えばある店舗では
「餃子 1人前231円→131円(お1人様10人前まで)」
というキャンペーンをやっているかと思うと、別の店舗では
「土・日・祝日、ご来店のお子様にもれなくスナック菓子サービス中!!」
というキャンペーンをやっていたりするのです。
考えてみればこれは当然の話です。
立地によってサラリーマンが多いのか、家族連れが多いのかに違いがでてくれば、
当然求められる商品・サービスに違いがでてきます。
そこで、お客さんのことを一番よく知っている各店舗が独自のセットメニューを
開発したり、キャンペーンを行うことで、お客さんの心を掴んでいるのです。
全ての人(会社)に求められる商品を提供するのは難しいかもしれませんが、
自社のターゲットとなる人(会社)にだけは強烈に求められる
商品をつくることならできるのではないでしょうか?
全ての人に【低価格・高品質】を提供するのは無理です。
自社のターゲットとなる人(会社)、にだけに向けて、
【低価格・高品質】な商品を開発し、アピールしてみてはいかがでしょうか?