●HOME > 成功するしくみ > 第14回 マイホームは 買った方が得か?借りた方が得か?
マイホーム選びの難しさは「住んでみないと解らない」事です。
購入しようとしている物件が、本当に成功なのかどうかは、
実際に住んでみないと解りません。
例えば 「深夜の騒音がうるさかった。」「お隣さんが変わった人。」
「町内会の規則が厳しい。」「近所付き合いの難しさ。」
住んでみて初めて解る事もあります。
また、ある人は、マンションを購入して、
「いい買い物だった。満足・・・」と、思っていても、
同じマンションの同じ間取りの隣の方は「失敗だった・・・」と
感じているかもしれません。
人生で最大の買い物ですので、慎重に選びたいところですが、
実際に、どうして見極めるのでしょう。
成功か失敗の見極め方は単純明快です。
数字で説明しましょう。
不動産の購入価格を、その物件に賃貸で住んだ場合(貸した場合)の
賃料と比較し、「買った方が得か?借りた方が得か?」判断する方法です。
例えば、購入したい物件が3000万円だったとします。
これだけでは安いのか、高いのか、判断が付きません。
比べるにも、隣が同じ広さで、同じ条件で、2500万円だったら、「高いな・・・」
隣が同じ広さで、同じ条件で、3500万円だったら、「安いな・・・」という
いいかげんな基準でしか、判断できません。
そこで、数字で判断する為に、同等の家賃相場を調べます。
最寄り駅の人気度、最寄り駅からの距離、物件面積、前道の広さ、築年数、間取り
等を、インターネット等の賃貸情報にあてはめていくと、相場が解ります。
購入したい3000万円の物件の賃貸相場が10万円だったとします。
新築だと、最初の10年間は月々10万円×10年=1200万円
その後の10年間は月々8万円×10年=960万円
その後の10年間は月々6万円×10年=720万円
合計:2880万円です。
借りたとすれば、30年間で2880万円必要です。
買ったとすれば、
この30年の間に修繕費、税金、他 いろんな費用が必要です。
その費用も含めて、この30年の間に、3500万円必要だったとします。
ただし、この物件が手に残ります。30年後の価値が1500万円だとすれば、
3500万円−1500万円=2000万円。
借りたとすれば、30年間で2880万円=1ヶ月の家賃8万円
買ったとすれば、30年間で2000万円=1ヶ月の家賃に換算すると5.5万円
と、計算しましょう。
不動産の物件評価については、
「東京マンション資産評価予想DATABOOK」という書籍によると、
例えば「世田谷区、目黒区、渋谷区、品川区」のマンションは、
30年前、新築時の購入価格を100とすれば、30年経った現在の価値は75です。
(30年間で25%の価格下落です。)
一方、それほど人気の高くない、東京都下のマンションは、
30年前、新築時の購入価格を100とすれば、30年経った現在の価値は37です。
(30年間で63%の価格下落です。)
「人気の高い場所の物件は高いから買えない」という理由で、
人気の無い場所の安い方へ、安い方へ、検討しがちですが、
はたして、それが正解なのでしょうか?
人気のあるエリアでは、5000万円するから買えないけれども、
人気の無いエリアでは、3600万円だから、購入できる。という場合、
5000万円 対 3600万円 で、1400万円の差が出るところまでは、
誰もが一目瞭然で、解ります。
では、住宅ローンを払い続けて、30年後 払い終わったとします。
たとえ、物価が変わらなかったとしても、
人気のあるエリアは、25%の価格下落で、5000万円が3750万円の価値があります。
人気の無いエリアでは、63%の価格下落で4000万円が1480万円の価値です。
これを、住宅コストとして計算すると、
人気のあるエリアは
5000万円−3750万円=1250万円 年間41.6万円 月々34.600円のコストです。
人気の無いエリアでは、
4000万円−1480万円=2520万円 年間84万円 月々70.000円のコストが、
かかっているのです。
人気の無いエリアでは、
30年間4000万円のローンを払っていたのに、実際には1480万円の価値しか
残ってないものに、4000万円のローンを払い続けていたという事になります。
30年後に
5000万円ローンを支払って、3750万円の価値を残すのと、
4000万円ローンを支払って、1480万円の価値を残すでは、
(5000万円−3750万円=1250万円)対(4000万円−1480万円=2520万円)で、
2520万円−1250万円=1270万円の差がでます。
結果、5000万円の物件を購入した方が、1270万円も得した事になります。
しかし、30年後の不動産市場は誰にも解りませんが、
購入金額だけで選ばず、他人が欲しがる人気のエリア、条件の物件を
選ぶことにより、長期的に住宅コストが軽減し、将来の資産につながります。
このように、不動産を選ぶ基準がわかれば、
「買った方が得か?借りた方が得か?」という問題ではなく、
「買った方が得な物件。借りた方が得な物件」というものが存在する。
という事がわかっていただけたでしょうか?
30年後の資産価値の高い物件を選ぶことにより、長期的に見て
買った方が得な物件と見極めます。
逆に、30年後の資産価値は低そうな物件なら、借りる方が得な物件と見極めます。