KYOTO / SEISMIC REFORM
京町家・木造住宅の耐震改修を、制度確認から計画する
京都市では、一定の京町家・木造住宅を対象に、耐震・防火改修を支援する「まちの匠・ぷらす」が実施されています。対象となる建物や申請時期を早めに確認し、工事計画と手続きを切り分けて進めることが大切です。

古い木造住宅や京町家では、間取り変更、水回り更新、断熱改修とあわせて、耐震性能を見直したいという相談があります。しかし、耐震リフォームは壁・屋根・基礎・接合部など、建物ごとの状態によって検討内容が変わります。
京都市の「まちの匠・ぷらす」は、対象条件に合う建物の耐震・防火改修を支援する制度です。2026年9月25日時点で申請受付期間中ですが、予算がなくなり次第終了と案内されています。この記事では、京都市内で耐震リフォームを検討する方に向け、公式発表で確認できる制度の要点と計画時の確認事項を整理します。
京都市の制度で対象となる方・建物
「まちの匠・ぷらす」の対象者は、建築物の所有者または居住者(居住予定者を含む)です。対象建物は京都市内にある一戸建て住宅または長屋の木造住宅・京町家で、居住部分の床面積が延べ面積の2分の1以上である併用住宅も含まれます。
| 区分 | 公式案内で示されている主な条件 |
|---|---|
| 木造住宅 | 1981年5月31日以前に着工し、3階建て以下で、在来工法または枠組壁工法で建てられたもの |
| 京町家 | 1950年11月22日以前に着工し、2階建て以下で、伝統構法で建てられたもの |
築年だけで対象と判断せず、構造、階数、用途構成も確認する必要があります。古い住宅でも増築や過去の改修状況によって確認事項が生じるため、図面や登記事項、現況をもとに相談を始めると進めやすくなります。
対象となる耐震・防火改修の考え方
京都市の案内では、本格耐震改修、簡易耐震改修、耐震シェルター・防災ベッド、感震ブレーカーの設置などが示されています。本格耐震改修は耐震診断と改修計画に基づく改修として案内され、簡易耐震改修については、屋根の軽量化なども対象となる制度です。
耐震リフォームでは、内装をきれいにする工事と、地震時の安全性を高める工事を混同しないことが重要です。例えば、壁を解体してLDKを広げる計画では、耐力壁の位置や補強方法を先に検討する必要があります。屋根の葺き替えや水回り移設も、建物全体の荷重や配管計画とあわせて判断します。
確認したいこと
制度上の補助対象となる工事範囲と、暮らしやすさのために追加する内装・設備工事は、見積書でも分けて整理すると判断しやすくなります。
補助上限と2026年の申請受付期間
京都市の公式案内では、本格耐震改修の補助上限は京町家が最大300万円、木造住宅が最大200万円です。簡易耐震改修は京町家が最大60万円、木造住宅が最大40万円とされています。感震ブレーカーの設置は、密集市街地で最大7万円、それ以外の区域で最大5万円です。
京都市が公開する令和8年度補助金一覧では、本格耐震改修の補助額は、補助対象費用の80%と補助対象工事ごとの上限額を合算した額を比べて、低い方の金額とされています。実際の交付予定額は、工事内容や対象費用の確認を経て決まるため、上限額だけで自己負担を判断しないようにしましょう。
| 項目 | 2026年度の公式案内 |
|---|---|
| 申請期間 | 2026年4月13日から12月25日まで |
| 受付終了 | 申請期間内でも、予算がなくなり次第終了 |
| 完了報告期限 | 2027年3月1日 |
着工前に確認したい申請の流れと工程
申請は京安心すまいセンターへ、必要書類を持参または郵送で行う案内です。京都市の補助金一覧では、補助事業の実施期間が交付決定日から2027年3月1日までと示されています。契約や着工のタイミングは補助対象性に影響する可能性があるため、工事を進める前に必要な手順を窓口へ確認してください。
築年、構造、階数、用途構成を整理し、制度の対象に当てはまるかを確認します。
耐震診断・補強計画、屋根、間取り、水回りなどを一つの計画として検討します。
見積り、申請書類、交付決定、着工、完了報告までの期限を確認します。
本格改修で工期や工事内容の変更が発生する場合は、2026年12月1日までに相談するよう京都市が案内しています。設計変更が起こりやすい古い住宅では、解体後の追加対応も想定して、工程に余裕を持たせることが必要です。

他制度・税制を確認するときの注意点
京都市の案内では、現行の耐震基準に適合する耐震改修について、所得税の特別控除と固定資産税の減額措置という税制優遇が紹介されています。ただし、税制には対象住宅、工事内容、証明書、適用期限などの要件があります。補助金を利用するかどうかにかかわらず、契約前に国土交通省などの公式情報と税務上の取扱いを確認してください。
補助金の併用可否は、制度ごとに条件が異なります。「まちの匠・ぷらす」と別の補助制度を同じ工事に利用できるかは、対象費用の重複や各制度の要綱によって判断されます。一律に併用できる、または併用できないとは考えず、申請前に各窓口へ確認しましょう。
京都市で耐震リフォームを計画するポイント
耐震改修は、補強だけを単独で考えるより、今後の住まい方と合わせて計画すると工事の重複を減らしやすくなります。たとえば、キッチン・浴室の更新、和室から洋室への変更、断熱性を高める窓改修、屋根の改修を予定している場合は、解体範囲や壁の補強計画との関係を検討することが重要です。
京町家や古い木造住宅では、既存の柱や梁、土壁、屋根、配管・電気設備の状態によって、必要な工事の順序が変わります。京都の住宅リフォームでは、暮らしやすさと建物の安全性を別々に見積もるのではなく、建物調査から設計、施工まで一貫した視点で検討することが大切です。
住宅全体の改修をご検討の方は、京都の住宅リフォーム、マンション住戸の改修ではマンションリフォームもあわせてご覧ください。
情報源
制度・補助金・価格・商品情報は変更や訂正が行われる場合があります。申請や契約の前に必ず最新の公式発表をご確認ください。
耐震リフォームは対象確認と工程設計を早めに進める
京都市の「まちの匠・ぷらす」は、一定の京町家・木造住宅における耐震・防火改修を支援する制度です。2026年度の申請期間は12月25日までですが、予算がなくなり次第終了します。対象建物の条件、補助対象工事、交付決定から完了報告までの期限を確認したうえで、住まい全体の改修計画を組み立てましょう。
住まい方と既存建物の状態に合わせて、改修計画を整理します
株式会社 空間デザインエイトでは、住宅リフォーム、マンションリフォーム、店舗リフォームのご相談に対応しています。耐震性の確認を含め、間取り、水回り、内装、断熱などをどの順番で検討するかお悩みの場合も、まずは現状とご希望をお聞かせください。
