MINPAKU / GUESTHOUSE OPENING
京都で民泊を開業するには?
旅館業の許可・民泊届出・物件選びを解説
京都で戸建て住宅・京町家・マンションなどを活用して
民泊を始める場合、
「旅館業法に基づく簡易宿所営業」と
「住宅宿泊事業法に基づく住宅宿泊事業」という
主な2つの制度があります。
2026年8月現在の京都市のルールをもとに、
開業前に確認したい用途地域・建築・消防・改修のポイントを解説します。

自宅の一部、空き家、京町家、戸建て住宅、
マンションなどを利用して旅行者を有料で宿泊させる場合は、
何の手続きもせず自由に営業できるわけではありません。
京都市内で、いわゆる「民泊」を行う場合は、
主に
旅館業法に基づく許可を取得する方法と、
住宅宿泊事業法に基づく届出を行う方法
があります。
どちらの制度を選ぶかによって、
営業できる日数、物件の条件、用途地域、
必要な設備や手続きなどが変わります。
そのため、物件を契約してから制度を選ぶのではなく、
開業方法をある程度決めたうえで物件を検討することが重要です。
この記事で分かること
01
京都の民泊には主に2つの制度があります
2026年8月現在、
京都市内で、いわゆる民泊を実施する場合は、
主に次の2つの方法があります。
旅館業・簡易宿所営業
旅館業法に基づき、
京都市長の営業許可を取得して営業する方法です。
住宅宿泊事業
住宅宿泊事業法に基づき、
京都市へ届出を行って住宅を宿泊施設として活用する方法です。
営業日数にも大きな違いがあります
旅館業法に基づく簡易宿所営業には、
住宅宿泊事業法のような年間180日という営業日数の上限はありません。
一方、住宅宿泊事業は、
全国制度として
年間180日以内
という営業日数の上限があります。
したがって、
「年間を通して宿泊施設として営業したい」のか、
「住宅を活用して一定期間だけ民泊営業したい」のかによって、
検討すべき制度が大きく変わります。
02
旅館業・簡易宿所として開業する場合
京都市内で施設を設け、
宿泊料を受けて継続的に人を宿泊させる旅館業を行う場合は、
京都市長の許可が必要です。
民泊・ゲストハウス・一棟貸し宿などでは、
計画内容によって
簡易宿所営業
として旅館業許可を取得するケースがあります。
簡易宿所には構造・設備の基準があります
国の基準では、
簡易宿所営業の客室延床面積は原則33㎡以上とされ、
許可申請時の宿泊者数を10人未満とする場合は、
3.3㎡ × 宿泊者数以上
とする基準があります。
ただし、
面積だけを満たせば許可を取得できるわけではありません。
換気・採光・照明・排水、
入浴設備、洗面設備、便所などの基準に加え、
京都市独自の条例・運営基準なども確認する必要があります。
用途地域
旅館・簡易宿所を設けることができる地域か確認します。
客室・設備
定員に応じた客室面積や
必要な衛生設備を確認します。
玄関帳場等
施設形態に応じて、
玄関帳場・施設外玄関帳場などの要件を確認します。
建築・消防
建築基準法や消防法など、
旅館業法以外の法令への適合も確認します。
03
住宅宿泊事業として民泊を始める場合
もう一つの方法が、
住宅宿泊事業法、いわゆる「民泊新法」に基づく
住宅宿泊事業です。
こちらは旅館業の営業許可ではなく、
京都市へ住宅宿泊事業の届出を行って営業します。
ただし、どのような建物でも
住宅宿泊事業として届出できるわけではありません。
台所
住宅として必要な設備の一つです。
浴室
住宅宿泊事業の対象住宅には浴室設備が必要です。
便所
宿泊者が利用できる便所設備が必要です。
洗面設備
洗面設備も住宅の設備要件に含まれています。
さらに、
実際に人が生活している住宅、
入居者を募集している住宅、
随時所有者等の居住に利用されている住宅など、
法令上の
「住宅」についての居住要件
を満たす必要があります。
宿泊者が使用する面積についても、
原則として
宿泊者1人当たり3.3㎡以上
を確保する必要があります。
04
民泊物件を契約する前に確認したいポイント
京都で民泊や簡易宿所を開業するときに特に注意したいのが、
物件を契約する前の確認
です。
立地や家賃、建物の雰囲気だけで契約すると、
宿泊施設として使用するために
想定以上の改修が必要になったり、
希望していた営業方法では使用できなかったりする可能性があります。
用途地域を確認する
旅館業として使用できる地域なのか、
住宅宿泊事業の場合は営業制限がある地域なのかを確認します。
建物の正式な情報を確認する
建築年、構造、階数、延床面積、
既存用途などを確認します。
建築図面・確認関係書類を確認する
既存建物の状況を把握するため、
保存されている図面や確認関係書類等を確認します。
管理規約・契約内容を確認する
集合住宅や賃貸物件では、
宿泊事業の実施が認められているか確認します。
消防設備を確認する
現在の設備で対応できるのか、
新たな消防設備が必要なのかを確認します。
必要な改修費を確認する
水まわり、避難経路、間取り、設備など、
宿泊施設にするための工事範囲を整理します。
05
建築基準法・消防法も確認してから改修計画を立てる
民泊・簡易宿所の開業では、
旅館業法や住宅宿泊事業法だけを確認すればよいわけではありません。
特に既存住宅や京町家などを宿泊施設として利用する場合は、
建築基準法・消防法などへの適合
も重要になります。
既存住宅を宿泊施設へ用途変更する場合
京都市では、
既存建物を旅館・ホテル・簡易宿所として使用する場合、
建築確認申請の手続きが不要となるケースであっても、
建築基準法の各規定へ適合させる必要があると案内しています。
また、旅館業施設への用途変更などでは、
京都市のバリアフリー条例に基づく手続きが
必要になる場合があります。
消防設備も物件ごとに確認する
宿泊施設では、
建物の規模・構造・利用方法などに応じて、
自動火災報知設備、誘導灯、
防炎性能を持つカーテン等の使用など、
消防法令上の対応が必要になる場合があります。
06
京都で民泊・簡易宿所開業を進める基本的な流れ
実際の手続きは、
旅館業と住宅宿泊事業で異なりますが、
物件検討から開業までのおおまかな流れは次のようになります。
営業方法を決める
簡易宿所として営業するのか、
住宅宿泊事業とするのかを整理します。
候補物件を確認する
用途地域、建物用途、構造、
管理規約などを確認します。
行政へ事前相談する
京都市の担当窓口へ相談し、
必要な手続きや条件を確認します。
建築・消防条件を確認する
必要な設備や改修工事、
各種手続きの内容を整理します。
設計・改修工事
宿泊人数や営業方法に合わせて、
間取り・設備・内装工事を行います。
許可申請・届出
選択した制度に応じて、
必要な申請・届出を進めます。
確認後に営業開始
必要な許可・届出・検査等を終えてから
宿泊施設として営業を開始します。
旅館業許可では近隣への説明等も必要
2026年8月現在、
京都市で旅館業許可を新規取得する場合は、
事前相談の後、
計画の公開として標識の掲示や
近隣住民・自治会等への説明を行い、
許可申請、実地調査を経て営業開始へ進む流れとなっています。
住宅宿泊事業についても、
京都市では届出前の事前協議を案内しており、
図面や周辺地図等を準備して相談することが推奨されています。
07
民泊・簡易宿所の改修は「許可条件」と「使いやすさ」を一緒に考える
民泊や簡易宿所のリフォームでは、
法令上必要な設備を設置するだけではなく、
実際に宿泊する方が使いやすい空間にすることも大切です。
宿泊人数と間取り
想定する宿泊人数から、
客室や共有スペースの広さを計画します。
水まわり
トイレ、洗面、浴室、キッチンなどを
利用人数に合わせて計画します。
避難・安全性
宿泊者が初めて利用する建物であることを考え、
安全な動線を検討します。
収納・清掃動線
リネン類や清掃用品など、
運営に必要な収納場所も計画します。
京都らしいデザイン
京町家や古民家では、
既存の柱・梁・建具などを活かす方法も検討できます。
運営しやすさ
チェックイン、清掃、
宿泊者対応なども想定して空間を計画します。
SUMMARY
京都の民泊開業は
物件契約前の制度・建築・消防確認が重要
京都で、いわゆる民泊を始める場合は、
旅館業法に基づく簡易宿所営業と、
住宅宿泊事業法に基づく住宅宿泊事業という
主な2つの方法があります。
簡易宿所は許可制で営業日数に住宅宿泊事業のような上限はありませんが、
用途地域や施設基準などを確認する必要があります。
一方、住宅宿泊事業は届出制ですが、
年間180日という上限があり、
京都市では住居専用地域について
独自の営業期間制限も設けられています。
さらに、
建築基準法・消防法・管理規約・既存建物の状態など、
宿泊事業以外の条件も確認しなければなりません。
物件を契約してから「民泊にできるか」を調べるのではなく、
候補物件の段階から開業方法と必要な改修工事を確認する
ことが重要です。
KUUKAN DESIGN 8
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民泊・簡易宿所・ゲストハウスの
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「この物件を宿泊施設に改修できる?」
「簡易宿所にするにはどのような工事が必要?」
「京町家を一棟貸し宿として活用したい」
といった物件検討段階から、
建物の状態と開業計画に合わせて工事内容を検討します。
