京都市上京区で調剤薬局の新装、リフォーム・リノベーションをさせていただいています。
調剤薬局の新装、内装工事
完成のイメージは、薬局の店内は明るく、白と木目を基調とし、清潔感のある優しい雰囲気の調剤薬局への店舗改装工事をします。
新装する調剤薬局の壁紙やカウンターなどの建材には抗ウイルス・抗菌性能を付加したものを使用します。
また空間全体は光触媒コーティングにより屋内の空気を浄化し、ストリーマ除菌ユニット組み込みエアコン、天井殺菌灯、トイレなど、感染症対策に特化した設備や建材を使用いたします。
薬局の新規開業で一番重要な内装制限
薬局は清潔感あるオシャレな雰囲気にしようとしても、法律により内装制限があります。
お客様が快適に利用出来るように間取りを考えても、薬局で働く従業員も同時に快適な空間にすることも考えなくてはいけませんし、内装制限を守らなくては、保健所の審査で指摘されて作り直しとなってしまうと、時間も費用も無駄になってしまいます。
調剤室は6.6㎡以上と定められています。
調剤薬局には必ず調剤室が必要ですが、法律により調剤室は6.6㎡以上と定められています。
各市区町村によって出入口が引き戸、または開き戸であること、他の場所と明確な仕切りがなくてはいけないなど、様々な審査基準が設けられています。
調剤室は待合室から調剤室内を見通せる造りでなくてはいけません。
さらに、調剤室で重要になるのが透視面です。薬局では薬品を扱うわけですから、作業の透明性を維持するためにも、待合室から調剤室内を見通せる造りでなくてはいけません。そのため、調剤室の一角をガラス張りにし、誰もが中を覗ける造りにする必要があります。
調剤薬局の受付け
調剤薬局の受付けは待合室の先に受付けがあるので、お客様の動線を考え、通路をかなり広めに取り、車いすの方もスムーズに動けるようなレイアウトを心掛けます。
受付けで、お会計や薬の説明をしっかり行うと時間がかかるので、回転率を気にするあまり薬の説明を疎かにすると、説明不足だと感じるお客様もいるので、広さにに余裕があるのであれば、お客様をお待たせしないために受付カウンターを長めにしてレジを複数設置するのがおすすめです。
調剤薬局の内装制限(構造設備)について
① 客が容易に出入りできる構造であること。(法基準)(薬局への出入りのための手続きに十数分もかかるものは×)
② 薬局であることが、その外観から明らかであること。(法基準)
③ 通常人が立ち寄らないような場所に敢えて開設したり、実店舗での対面による販売を明らかに想定していない薬局は認められない。(審査基準)
④ 換気が十分であり、かつ、清潔であること。(法基準)
⑤ 当該薬局以外の薬局又は店舗販売業の場所、常時居住する場所及び不潔な場所から明確に区別されていること。(法基準)
⑥ 医薬品の陳列・交付する場所は60ルックス以上の明るさを有すること。(法基準)
⑦ 床面から天井までの高さが2.1m以上あること。(審査基準)
調剤面積について(内法による)
① 薬局全体の面積(法基準)・・・19.8㎡以上
② 調剤室の面積(法基準) ・・・ 6.6㎡以上
③ 待合室の面積(指導基準)・・・ 6.6㎡以上
④ デパート等大規模店舗の一部に薬局を開設する場合 他の売り場と隔壁により区分できない場合は、隔壁及び陳列ケース、パネル等の間を結んで得られた部分を薬局の面積とする。なお、区分の方法としてやむを得ない場合には、床面への線引き又は色分けによることも可とする。 ただし、隣接する店舗と営業時間が異なる場合、営業時間外は、薬局に進入することができないような必要な措置が採られていること。(シャッター、パーティション、チェーン等物理的に遮断され、進入困難なもの)(審査基準)
⑤ 医薬品以外の物を取扱う場合には、医薬品を陳列・貯蔵する場所と、医薬品以外を陳列・貯蔵する場所を明確に区別すること。(審査基準)
調剤室について
① 天井、床は板張り、コンクリート又はこれらに準ずるもの(衛生状態を確保できるもの)であること。(法基準)
② 調剤室は、他の場所と間仕切りによって明確に区別されていること。(審査基準)
③ 有効に活用できる面積が、6.6㎡以上あること。(審査基準)
④ 調剤室は、間口及び奥行きがそれぞれ1.3m以上ある部分で、6.6㎡以上の面積を確保すること。(指導基準)
⑤ 調剤室の面積は、調剤に当たる薬剤師が2人の場合9.9㎡以上、3人以上の場合は3人目以降、1人当たり3㎡程度を確保することが望ましい。(指導基準)
⑥ 調剤室内を通路とするような構造でないこと。(審査基準)
⑦ 出入口は引き戸又は開き戸であること。(審査基準)
⑧ 向精神薬又は麻薬を取り扱う場合は、調剤室の出入り口に鍵がかかること(審査基準)
⑨ 調剤に必要な給排水設備を有すること。(審査基準)
⑩ 消防法等の規定により、天井まで仕切ることができない場合で、保健衛生上支障がないと認められる場合はある程度の空間を設けることも可とする。(指導基準)
⑪ 調剤台の上は、120ルックス以上の明るさを有すること。(法基準)
⑫ 客が進入できないような措置が採られていること。(カウンター等)(法基準)
調剤薬局の透視面について(指導基準)
透視面とは・・・調剤依頼者が待合場所から調剤室内を 自由に見ることができる場所のことをいう。
① 透視面は、待合場所に面する壁面にあること。
② 透視面の大きさ・・・縦1.0m以上、横1.3m以上
③ 透視面の底面は、待合場所の床面から0.9m以内であること
④ やむを得ず、透視面の横幅が1.3m以上確保できないときは、隣接する隔壁に透視面を連続して設け、合計1.3m以上確保すること。
⑤ 小窓を設置する場合は、開口面積を必要最小限とし、かつ開閉式とすること。 0.9m以内 1.0m以上透視面 待合床面 1.3m以上
調剤薬局の冷暗貯蔵設備
① ガス又は電気冷蔵庫であること。(審査基準)
② インスリン製剤、キサラタン点眼液等の、温度幅が設定されている医薬品については、冷蔵庫内に温度計を設置し、適宜、温度を確認・記録するなど品質管理に努めること。(指導基準)
③ 厳密な温度管理を要する医薬品(ワクチン、血清等)を取扱う場合は、自記温度計を備えた冷蔵庫を設置すること。(審査基準)
④ 遮光ガラス付冷蔵庫は可とする。(審査基準)
鍵のかかる貯蔵設備
① 毒薬等の取扱いがない場合でも、設置が必要である。(法基準)
② かぎのかかる貯蔵設備は、容易に移動できないように固定されていること。(審査基準)
③ 貯蔵設備の材質は、ガラス等壊れやすいものでないこと。(審査基準)
情報提供のための設備(法基準)
相談カウンター等、薬剤師と客が対面で情報提供を行なうことができる、通常動かすことのできないもの。
① 調剤室に近接する場所にあること。
② 要指導医薬品陳列区画の内部又は近接する場所にあること。
③ 第1類医薬品陳列区画の内部又は近接する場所にあること。
④ 指定第2類医薬品を陳列する設備から7m以内の範囲にあること。(指定第2類医薬品陳列設備が、かぎをかけた陳列設備又は陳列設備から1.2m以内の範囲に客等が進入できない措置がとられている場合はこの限りでない)
⑤ 複数階に医薬品陳列・交付場所がある場合は、各階の医薬品陳列・交付場所の内部にあること。
⑥ 患者が添付文書情報を閲覧できる環境を整備することが望ましい。添付文書情報の閲覧については、添付文書の写しを備え付けるか、電子的媒体を利用する等の方法によること。(指導基準)
閉鎖できる構造(法基準)
開店時間のうち、要指導医薬品又は一般用医薬品を販売しない時間帯がある場合は、陳列・交付場所を閉鎖できること。(シャッター、パーティション、チェーン等 + 薬剤師不在時は薬販売できない旨表示)
要指導医薬品を販売する場合(法基準)
① 要指導医薬品を陳列するために必要な陳列設備を有すること。(次の(ア)~(ウ)いずれかに適合するもの)
(ア)かぎをかけた陳列設備(容易に移動できないよう固定されていること)
(イ)客が直接手の触れられない陳列設備(ガラスケース等)
(ウ)陳列設備から1.2m以内の範囲に客等が進入することができないような措置がとられているもの※。
② 要指導医薬品を販売しない時間帯がある場合は、要指導医薬品陳列区画(要指導医薬品を陳列する設備から1.2m以内の範囲)を閉鎖できること。 ※進入することができないような措置・・・社会通念上、カウンター等の通常動かすことができない構造設備により遮断することで、従事者以外の者が進入できないような措置。
第1類医薬品を販売する場合(法基準)
① 第1類医薬品を陳列するために必要な陳列設備を有すること。(次の(ア)~(ウ)いずれかに適合するもの)
(ア)かぎをかけた陳列設備(容易に移動できないよう固定されていること)
(イ)客が直接手の触れられない陳列設備(ガラスケース等)
(ウ)陳列設備から1.2m以内の範囲に客等が進入することができないような措置がとられているもの※。
② 第1類医薬品を販売しない時間帯がある場合は、第1類医薬品陳列区画(第1類医薬品を陳列する設備から1.2m以内の範囲)を閉鎖できること。
指定第2類医薬品を販売する場合(法基準)
指定第2類医薬品陳列設備は次の(ア)~(エ)いずれかに適合するものであること。
(ア)かぎをかけた陳列設備(容易に移動できないよう固定されていること)
(イ)客が直接手の触れられない陳列設備(ガラスケース等)
(ウ)情報提供設備から7m以内の範囲にあるもの。
(エ)陳列設備から1.2m以内の範囲に客等が進入することができないような措置がとられているもの。
(オ)情報提供設備から7m以内であっても、陳列した医薬品が情報提供設備から目視できない場所には、指定第2類医薬品を陳列しないことが望ましい。(指導基準)
★ 開店時間のうち、要指導医薬品・一般用医薬品を販売しない時間帯がある場合は、要指導医薬品・一般用医薬品を陳列・交付する場所を閉鎖できること。閉鎖の方法としては、シャッター、パーティション、チェーン等が該当する。
薬局医薬品※を販売する場合(法基準)
調剤室内、倉庫(引き出し)等、薬局従事者のみが手に取ることのできる場所(客から見えないところ)に貯蔵・陳列すること。
※薬局医薬品とは・・・薬局製造販売医薬品と医療用医薬品のこと。薬局以外で販売できない。 13 特定販売を行う場合 開店時間外に特定販売のみを行っている営業時間がある場合は、薬事監視を確実に行うための仕組みの整備が必要。
① インターネット環境で行う場合
(ア)デジタルカメラ及び電子メール
(イ)携帯電話(画像を送信できるものに限る。)
(ウ)その他同等とみなせるもの
② 電話やカタログ等で行う場合
(ア)デジタルカメラ及び電子メール
(イ)デジタルカメラ及びファクシミリ
(ウ)携帯電話(画像を送信できるものに限る。)
(エ)その他同等とみなせるもの
その他(指導基準)
① 薬局の付帯設備として次の設備を設けること
(ア)一般用医薬品の売り場
(イ)処方せんの受付、医薬品の交付、服薬指導の場所(患者のプライバシーに配慮すること)
(ウ)医薬品の貯蔵設備
② 薬局の付属設備として次の設備を設けること(付属設備は薬局の面積には含めない)
(ア)更衣室(事務室と兼用可)
イ)便所
(ウ)事務室(更衣室と兼用可)
上記は市区町村により、多少変わってくる部分もあります。
作業の透明性を維持するため、調剤室の一角をガラス張りにし、誰もが中を覗ける
柱があるので、透視面の横幅が1.3m以上確保できないので、隣接する隔壁に透視面を連続して設け、合計1.3m以上確保。
元々、水道設備の無い場所に手洗い用洗面ボールの給排水を仕込んだ。
照明器具も通常の店舗よりも多く、国の基準以上の明るさになるように計算しながら位置決め、配置していく。
床は清潔感のあるウッドタイル貼り。
調剤薬局のの消防設備設置基準
排煙設備の「特殊建築物の主たる用途に供する部分」〔平12告示1436号4号ハ、令126条の2第1項第5号、令第126条の3〕 の二
一般的な基準 | 延べ面積300㎡以上 |
地下・無窓階・3階以上の階 | 床面積50㎡以上 |
火を使用する設備や器具を設置 | すべてに必要 |
少量危険物 | 指定数量の1/5以上で指定数量未満のもの |
指定可燃物 | 指定可燃物の数量以上のもの |
屋内消火栓 消防法施行令第11条
一般的な基準
一般的な基準 | 延べ面積1,000㎡以上 |
耐火 or 準耐火+内装制限 | 延べ面積2,000㎡以上 |
耐火構造+内装制限 | 延べ面積3,000㎡以上 |
地階・無窓階・4階以上の階
一般的な基準 | 床面積200㎡以上 |
耐火 or 準耐火+内装制限 | 床面積400㎡以上 |
耐火構造+内装制限 | 床面積600㎡以上 |
スプリンクラー 消防法施行令第12条
11階以上の階 | すべて |
指定可燃物 | 指定数量の1,000倍以上を貯蔵、取扱 |
水噴霧消火設備 消防法施行令第13条
13条では水噴霧消火設備、泡消火設備、不活性ガス消火設備、ハロゲン化物消火設備、粉末消火設備についての設置基準が記載されています。
これらの消火設備は航空機格納庫や駐車場、ボイラー室など特殊な場所について基準となり、今回の用途とはあまり関係がないため除外します。
自動火災報知設備 消防法施行令第21条
一般的な基準 | 延べ面積1,000㎡以上 |
特定一階段防火対象物 | すべて |
地階・無窓階・3階以上 | 床面積300㎡以上 |
指定可燃物 | 指定数量の500倍以上貯蔵・取扱 |
11階以上の階 | すべて |
ガス漏れ火災警報設備 消防法施行令第21条の3
該当なし
漏電火災警報器
延べ面積による基準 | 1,000㎡以上 |
契約電流による基準 | 50アンペアを超える |
漏電火災警報器は木造建屋で「ラスモルタル工法」により建築された場合で、上記の条件に接触する際に設置が義務になります。ラスモルタル以外の構造、例えば木サイディング、鉄骨造、RC造の場合は不要です。
消防機関へ通用する火災報知設備 令第23条
延べ面積による基準 | 1,000㎡以上 |
上記は市区町村により、多少変わってくる部分もあります。
調剤室
調剤室の薬品棚は木製のオーダーメイド据付棚です。地震がきても大丈夫なように頑丈に壁に固定しています。
調剤室の中から表の通りまで見渡せる視界作りも考慮しています。
逆に待合室から調剤室内を見通せる造りになっています。
薬局の照明の基準
国の基準では、薬剤を交付する(引き渡す)場所の照明は60lux(ルクス)以上、調剤台の上は120lux以上、となっていますが、薬局やドラッグストアでは更に明るい照明を設置しているところが多く見受けられます。
JIS(日本産業規格)の照明基準では、薬局は500lux程度を推奨していますので、国の基準よりも約4~8倍は必要としています。
(JISはあくまで基準ですので、守らなかったといっても罰則が発生ありませんが、無用のトラブルを避けるためにも明るめの照明を配置するのが現在の主流です。)
上記のように薬局の照明は自由に選べるわけではありません。国の基準によって、場所ごとに必要な明るさが決まっていますので、基準以上の明るい店内にすることが必須となります。
調剤薬局の入口はバリアフリーにする
当然ですが、薬局には体が不自由なお客様や具合が悪い方が多く訪れます。そのため、できるだけ身体に負担をかけないバリアフリー造りにすることが大前提です。
入口に段差があると足腰の悪い方は上り下りが大変になってしまいますし、車いすの方は自力での入店が困難になります。
しかし、構造上どうしてもバリアフリーに出来い場合は、スロープや手すりを設置したり、トイレや内部の壁にも必要に応じて手すりをつけて、お客様が移動しやすく対応する方法もあります。